平成20年保育士試験問題−発達心理学

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問題 1.

 次の文は、保育における発達心理学の考え方である。不適切な記述を一つ選びなさい。

1 保育における発達心理学では、子どもが発達するだけではなく、そこに関わる保育者や家族も発達していくととらえる。

2 発達には、一時的にトラブルを起こしていても、長期的にみれば豊かな経験としてはたらくものがある。保育者はそのはたらきを心得て、保育に生かしていく必要がある。

3 子どもたちは、いろいろな経験をし、さまざまな発達の道筋を経てきているので、できるかぎり、同じ考え、同じ行動ができるように保育をしなければならない。

4 発達は年齢とともに多くの経験を積み重ねて成り立っていく。おおむね、年齢と相関して進んでいくものである。発達の道筋や、発達段階と称するものがそれである。

5 保育者をめざす学生は、これまでの発達を振り返り、また保育者になってからの職業人としての成長過程を見通すことが大切である。

1   2   3   4   5  

問題 2.

 次の発達のメカニズムに関する記述において、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 家系研究法は、ある優れた特性、または、ある劣った特性の遺伝性を証明しようとしたものであるが、遺伝と環境の影響力が分離されない研究法である。

B ワトソン(Watson, J.B.)は、乳児に対する恐怖の条件づけの実験を行い、遺伝説を主張した。

C シュテルン(Stern, W.)は、輻輳説を提唱し、遺伝も環境も発達に関係し、それらは相互に依存しつつ影響し合うと考えた。

D ゲゼル(Gesell, A.L.)は、一卵性双生児に階段上りの訓練を行い、環境は発達を促進させるが、基本的な様態と順序は成熟によって決まるとし成熟優位説を唱えた。

E 環境閾値説は、遺伝的可能性が顕在化するのに必要な環境要因の質や量は、それぞれの特性によって違いがあると主張している。

(組み合わせ)
  A  B  C  D  E
1 ○ ○ × × ×
2 ○ × × ○ ○
3 × ○ ○ × ○
4 × ○ × ○ ×
5 × × ○ × ○

1   2   3   4   5  

問題 3.

 次の文のうち、1799年にフランスのアヴェロン県で保護された「アヴェロンの野生児」の教育について、医師イタールが掲げた教育目標として適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 彼がいま送っている生活をもっと快適なものにして、とりわけ、彼が抜け出したばかりの生活にもっと近づけることによって、彼を社会生活に結びつけること。

B 非常に強い電気刺激によって、神経の感受性を目覚めさせること。

C 彼に新しい欲求を生じさせ、周囲の存在との関係を増すようにさせて、彼の観念の範囲を拡大すること。

D どうしてもそうしないではいられないという必要性によって模倣訓練をさせ、彼を話しことばの使用に導くこと。

E 話しことばを語覚えたら、パンを1切れ与えるというように、身体的欲求から教育課題が達成されるようにさせること。

(組み合わせ)
A B C D E
1 ○ ○ × ○ ×
2 ○ × ○ ○ ×
3 ○ × × ○ ○
4 × ○ ○ × ○
5 × × ○ × ○

1   2   3   4   5  

問題 4.

 次の文は新生児期の発達についての記述である。最も適切な記述を一つ選びなさい。

1 ポルトマン(Portmann, A.)が「生理的早産」と仮説を立てたように、人間の新生児は早産の状態にあり、あらゆる面において反応が乏しい。

2 話しことばの源となる発声は、クーイングと呼ばれる不快な時に出す泣き叫び(叫喚発声)である。

3 新生児は、おとなが舌をだしたり、口をあけたりすると、同じような表情を示すことがある。この模倣行動は、意図的なものではなく、自動的に生じる行動と考えられている。

4 新生児のすべての運動行動は、モロー反射、把握反射といった原始反射と呼ばれる生得的な反射であることが知られている。

5 ある特定のものに対して興味を示したり、反応を示したりすることを選好という。新生児は、選好行動として色のあざやかなものをよく見る傾向がある。

1   2   3   4   5  

問題 5.

 次の文は乳幼児の物の理解の発達についての記述である。不適切な記述を一つ選びなさい。

1 満1歳くらいまでは、目の前のりんごが布で覆われて見えなくなると、なくなってしまったと思って手を伸ばさなくなる。

2 0歳半ば頃から、物は支えられていないと落下するということがわかっている。

3 1歳頃には、物体のさらさら、つるつるなどの肌理(きめ)を区別する。

4 3歳頃には、同じ量の粘土でも丸めて形を変えると、重さや量が変わったと誤った判断をすることがある。

5 2歳頃には、物の移動が見えないときにも移動を頭の中で思い描いて探すようになる。

1   2   3   4   5  

問題 6.

 次の文は、人との関わりの発達についての記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 1歳前後の乳児は特定の対象に対して行動しようとする時、親しい者の示す表情、声色、しぐさなどから、自分の行動を決める傾向がある。これを社会的参照という。

B 他者が感じていることや考えていることは、自分のとは違うものだとわかることを、心の理論という。これは、児童期の後半に獲得される。

C 0歳後半には、共同注意ができるようになる。養育者の視線を追って、同じものを見ていることを了解する。

D 4歳を過ぎるころから、「イヤ、イヤ」を連発するようになる。これは、自分の意識の高まりのあらわれであり、第一反抗期という。

(組み合わせ)
A B C D
1 ○ × ○ ×
2 ○ × × ○
3 × ○ ○ ×
4 × ○ × ○
5 × ○ × ×

1   2   3   4   5  

問題 7.

 次の文のうち、子どもの遊びについて、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A ごっこ遊びができるようになるためには、象徴機能の発達が必要である。

B 出来事の順序についての知識(スクリプト)を獲得することで、筋や流れのある遊びができるようになる。

C 一定の目的をもって一緒に遊ぶ遊びを、パーテン(Parten, M.B.)は「連合遊び」と呼んだ。

D 遊びのルールを理解し、そのルールを作ったり変更するなどのスキルは3歳頃から顕著に発達する。

(組み合わせ)
  A  B  C  D
1 ○ ○ × ×
2 ○ × ○ ×
3 ○ × × ×
4 × ○ ○ ○
5 × ○ × ○

1   2   3   4   5  

問題 8.

 次の文は、成人期の発達に関する記述である。不適切な記述を一つ選びなさい。

1 「愛着の世代間伝達」として注目されているように、親の子どもとの関わり方には、親自身の親に対する愛着表象が影響する。

2 成人期は、期待される役割が多く、成人は葛藤状況に置かれたり、解決困難な問題を抱えたりする。年齢と能力に応じた役割の変化を受容することが発達課題となる。

3 子どもが巣立つ時期には、親は子どもとの関係と夫婦の関係を再構築することが重要な課題となる。この課題を解決できない例として「燃えつき症候群」がある。

4 レビンソン(Levinson, D.)の成人前期と中年期の発達段階によれば、安定した生活構造をつくる時期と、生活構造が変化する過渡期が交互に現れる。

5 人間には小さい子どもに共感し、育てようとする傾向があり、それは成人になってから急に形成されるわけではない。

1   2   3   4   5  

問題 9.

 次の文は発達の基本的な「流れ」についての記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 発達の流れは、時間軸にそって展開する個体と環境の相互作用の過程である。

B 発達の流れには個人による違いもあり、細かく見れば様々な道筋を通る。

C 発達段階は、その子どもの発達の程度を示すので、知能や人格などに共通した同一の程度を持つ。

D 発達とは常に前進していくものであり、どのような側面であれ、一度進んだら戻ることはない。

(組み合わせ)
  A  B  C  D
1 ○ ○ × ×
2 ○ × ○ ×
3 ○ × × ○
4 × ○ × ○
5 × × ○ ○

1   2   3   4   5  

問題 10.

 次の文は発達過程にみられる発達の主な特徴である。これらを、早く現れる発達の特徴の順に並べた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 子どもは、この時期には人見知りが激しくなるが、一方では、見慣れた人にはその身振りをまねて「ニギニギ」をしたり「ハイハイ」などをして積極的に関わりを持とうとする。この気持ちを大切に受け入れ応答することが情緒の安定にとって重要である。

B 子どもはこの時期、首がすわり、目の前の物をつかもうとしたり、手を口に持っていったりするなど手足の動きが活発になる。また、生理的な快、不快の表出は、感情を訴えるような泣き方をしたり、大人の顔を見つめ、笑いかけ、「アー」「ウー」などと声を出すなど次第に社会的、心理的な表出へと変化する。

C 子どもは、この時期、歩き始め、手を使い、言葉を話すようになる。つまむ、めくる、通す、はずす、なぐりがきをする、転がす、スプーンを使う、コップを持つなど運動の種類が確実に豊かになっていく。こうした新しい行動の獲得によって、子どもは自分にもできるという気持ちを持ち、自信を獲得し、自発性を高めていく。

D 子どもは、心が人のみではなく、他の生き物、さらには、無生物にまでもあると思っている。これが子どもらしい空想力や想像力の展開にもつながる。また、恐れの対象は、大きな音、暗闇など物理的な現象だけでなく、オバケ、夢、一人残されることなど、想像による恐れが増してくる。

E これまでは、何かにつけ保育士に頼り、保育士との関係を中心に行動していた子どもも、一人の独立した存在として行動しようとし、自我がよりはっきりしてくる。この段階では、子ども自身は友達と遊んだつもりになっていても、実際にはまだ平行遊びが多い。しかし、この時期に仲間と一緒にいて、その行動を観察し模倣することの喜びを十分に味わうことは、社会性の発達を促し、ひいてはより豊かな人間理解へとつながって
いく大切な基礎固めになる。

F この頃になると子どもは、ごっこ遊びなどには、手の込んだ一連の流れがあり、様々な異なる役割が分化しているものを好み、少々難しくても自分たちの満足のいくまでやろうとする。したがって、各々の発案や実際の過程の観察、様々なところからの知識を生かして、創意工夫を重ねて、遊びが発展していくこともある。

(組み合わせ)
1 A → B → C → D → F → E
2 A → B → D → C → E → F
3 B → A → C → D → F → E
4 B → A → C → E → D → F
5 B → C → A → D → E → F

1   2   3   4   5  

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結果: